~はじめに~
令和3年3月から開始されている医療保険のオンライン資格確認をご存じですか。
令和5年4月よりオンライン資格導入が原則として義務付けられています。各医療機関では徐々に導入されておりますが、導入していない医療機関については、早く対応していただく必要があります。
オンライン資格確認とは、医療従事者が医療保険の診療報酬請求をする際に、患者の保険証の有効性を確認するためのシステムです。従来は保険証を確認するために患者に保険証を提示してもらい、医療従事者が保険証を手動で読み取っていましたが、この方法では保険証の偽造や紛失などが発生することがあり、医療従事者や保険者にとっても手間やコストがかかっていました。そこで、医療従事者がインターネットに接続した端末から保険証のバーコードやQRコードを読み取り、保険証の有効性を確認できるオンライン資格確認が導入されました。

    • オンライン資格確認とは
    • オンライン資格確認導入後は

◇オンライン資格確認とは

オンライン資格確認とは顔認証付きカードリーダーを使用し、医療現場で使用されるセキュリティーシステムの一つとなります。正確な身分の確認やアクセス制御を目的としています。このシステムは、患者や医療従事者の顔認証によりアクセス許可をするため、認証の正確性とセキュリティーを高めることができます。
一般的に顔認証付きカードリーダーは、医療機関で使用される従業員証や患者カードに組み込まれたICチップを読み取り、そのカードに登録された情報と顔認証を照合して、正確な身分確認を行います。このシステムにより、不正アクセスやなりすましを防止することができます。
また顔認証システムには多くの利点があります。例えば、指紋やパスワードといった従来のセキュリティシステムと比べて、顔認証システムはより迅速で、より正確な認証を行うことができます。また、接触なしでの認証が可能なため、クリーンな環境を保つことができ、感染症のリスクを軽減することができます。
顔認証カード付カードリーダーは、医療現場での身分確認やアクセス制御において高いセキュリティーと効率性を実現するためのルーツとして利用されています。

◇オンライン資格確認導入後は

今までは病院やクリニックでは患者さんから保険証を預かり、患者氏名、保険者番号等多くの入力が必要なため、患者さんが増えるにあたり、受付に大きな負担がかかっているのが現状です。
しかし、オンラインシステムを導入後はマイナンバーかこれまでの保険証のいずれかで保険資格の確認を行うことができます。
マイナンバーカードでは、患者さんにマイナンバーカードをカードリーダーに置いていただき、顔写真の確認または暗証番号入力による本人確認を行うことで最新の保険資格を自動的に取得することができます。有効な資格かをその場で確認できるようになり、入力の手間を大きく軽減されます。保険証では最小限の入力項目で保険資格の確認ができます。患者さんの来院前は予約している患者さんの保険資格が有効か、保険者が変わっているかなど事前に確認できるようになっています。
受付だけではなく、診療時や投薬時の業務でも活用することができ、マイナンバーカードを持っている患者については、本人の同意を得て3年分の薬剤情報を確認することができるようになります。また、5年分の特定検診情報も確認できるようになり、医療機関や薬局で働く医療従事者の業務負担を軽減し、患者さんへの医療サービスをより充実してしてくれます。

終わりに

オンライン資格確認を導入することで、患者や医療従事者の手間が減り、業務の効率化が向上します。また保険証の有効性を正確に確認できるため、請求時のエラーや誤請求を減らすことができます。
オンライン資格確認を取り込むためには、今使用している電子カルテ、レセコンの回収作業等が必要になります。導入手続きについてはオンライン資格確認・医療情報化支援基金関係、医療機関等向けポータルサイトをご参考にしてください。 (F)