寒い季節となりました。冬は服装が厚手で動きにくく寒さで筋肉も思うように動かなくなるため、転倒事故が増えます。転倒・骨折は要介護にもつながることもあり、「転んで痛い」では済まない場合も多いです。
ここでは、高齢者の転倒の特徴と予防についてお話しできればと思います。

高齢者の転倒の特徴とは

高齢者の転倒には、姿勢の変化、下肢筋力やバランス維持力の低下などの本人の身体的要因ばかりではなく、ふらつきを生じる原因となる薬剤の服用、床や路面、はき物、照明の暗さなどの環境要因、転倒に対する恐怖心など、複数の要因が関連しています。これらが連鎖することで、高齢者の転倒は結果として、寝たきりや要介護状態へとつながりやすいと言われています。
わが国の在宅高齢者の20%程度は、1年間に1回以上の転倒経験があると言われています。アメリカの調査では、転倒を経験した高齢者のうち30~50%に何らかの外傷が生じたとされ、とくに75歳以上では24%に重要な外傷が生じ、そのうち6%が骨折があったと報告されています。高齢者が転倒した際に骨折しやすい部位は、上腕骨頸部、橈骨遠位端、脊椎、大腿骨頸部となります。

転倒の予防

高齢者にとって転倒は、自立度低下などの原因となることが知られています。高齢者のための転倒予防プログラムは、市町村などにより、要支援・要介護となるおそれのある高齢者を対象とした介護予防事業や地域の健康教室、デイサービスなどで行われており、運動プログラムなどが提供されています。高齢者自身の転倒リスクへの認識や食事の注意、転倒危険場所の理解、足の健康維持方法など知ることが重要となります。
具体的には、①身体の柔軟性・バランス力・調整力を高め、歩行機能と筋力を維持するために運動プログラムの参加、②自宅内の転倒危険個所について学習しコード類や床に置いた物などにつまずくことのないようにするための安全対策、③足や足趾のトラブルを予防し、足の健康を維持するためのフットケアなどです。
転倒予防対策の一つとして、転倒予防靴下があります。こちらは足趾の返しをよくしてつまずきを防ぐ工夫が施されています。また、転倒した際の衝撃を吸収・緩和するための
ヒッププロテクターなどの利用もおすすめです。
ここで注意が必要なのは、転倒の原因は目の疾患という場合もあります。その一つとして白内障があります。両岸白内障時は転倒リスクは1.8倍とされていますので、視野に違和感等があった場合はすぐに眼科の受診をおすすめします。

まとめ

年末年始は帰省される方も多いと思います。是非この機会にご家族で転倒防止対策について考えてみてはいかかでしょうか。
また転倒防止用品は弊社でもお取り扱いがあります。
福祉用具専門の資格を持った相談員が利用者様のご要望にあった最適な製品をご案内させていただきます。
是非ご相談ください。