弊社ではご相談頂いているクリニック様と会話しながら定量的・定説的分析を実施し、経営改善の実現に向けた支援を行っておりますが、中には志半ばで経営改善よりも事業承継を病院経営改善策の一つとしてお考えになるクリニック様もいらっしゃいます。
そこで今回は、
・株式会社と医療機関の事業承継の違いについて
・私なりに感じたこと
についてお話ししたいと思います。

株式会社と医療機関の事業承継の違い

医療法人は株式会社と異なります。代表的なものは医療法人は「非営利性の組織」であることです。医療法第七条にも記載されているように、医療法人は非営利ではなければならないと明確に規定されていて、営利組織である株式会社とはそもそも法人の目的が違うという事です。
二つ目は「配当が出来ない」という事です。株式会社であれば株式を出資すれば利益が出た時株主に配当できるとありますが、医療法人においてはまったく別であり、理事長に対しても配当行為ができません。その為事業承継スキームも株式会社と医療機関とではまったく異なってきます。さらに平成19年4月1日以降は出資持分がない医療法人しか設立する事が出来なくなりましたのでそれ以前に設立された医療法人の事業承継スキームについても違いが出てきます。
現在、事業承継が行われている医療機関形態は出資持分ありのケースが多く、次に出資持分無し、そして事業譲渡と続きます。

私なりに感じたこと

事業承継という手段が医療業界にはまだ浸透していない

クリニックを経営されている先生方の中には様々な理由でこの先の行く末を悩まれております。後継者不在や診療報酬の締め付けによる経営不振、施設の老朽化+先生ご自身の体力の問題などです。上記のような理由で閉じたいけれど閉じることができない医療機関も多いと思います。くしくも激動の世の中で事業承継という言葉は徐々に浸透してきていると思いますが、医療機関の中ではなかなか浸透していないと感じています。

医療版事業承継の売り手様の想い

一般的な株式会社(売り手)の事業承継理由としては①事業不振②後継者不足③他の事業に集中する為などが挙げられ、そこには金銭的な理由も多分に含まれています。一方、医療機関の事業承継は少し理由が異なっています。先生方にお気持ちを聞きますとクリニックを残さなければならない、従業員の雇用を守らなければならない、地域医療を守らなければいけない等の使命感に背中を押される印象を受けますし、自利よりも利他を第一優先にしている印象を受けます。

まとめ

先生方が取り組む医療機関事業承継は株式会社よりも社会的責任の意味合いが強いと感じます。弊社の経営理念と合致するところが多分にあるのでぜひ成功させたいという気持ちを改めて抱きます。
また、医療機関事業承継は認定医療法人制度の視点や事業譲渡における許認可の取り直し等、留意しながら進めていくポイントが多数あり、その点は弊社がしっかりとサポートさせていただければと思います。
弊社は医療コンサルティング会社として経営支援・事業承継どちらの視点からもご支援させていただきますので、ご不明な点等ございましたら、こちらからお気軽にお問合せ下さい。(Y)