新年度が始まり半月が経ちました。3月下旬にまん延防止など重点措置が解除となり、電車やバスなどで行き交う人々も少しずつ増え、色々なところでまた活気が戻ってきているのを実感します。
そういった中、今年度は診療報酬改定があり、診療報酬に係る算定要件や、点数の変更、そして新しく追加されたものなどがあります。
今回は、改定された診療報酬の中でも、[情報通信機器を用いた診療]というカテゴリーに関して、少しお話をしていきます。

情報通信機器を用いた診療とは?

情報通信機器を用いた診療((以下、オンライン診療と呼びます)とは、スマートフォンやタブレット、パソコンなどを用いて、病院の予約から決済までをインターネット上で行う診察・治療方法になります。病院や診療所に自ら足を運び、医師に診察してもらう方法を「対面診療」と呼び、ビデオ通話のように、情報通信機器を通して診察をしてもらう方法を「オンライン診療」と呼びます。

主な内容

・オンライン診療を用いた初診及び再診に係る評価の新設
・情報通信機器を用いた医学管理等(医学管理料)に係る評価の見直し

情報通信機器を用いた初診及び再診に係る評価の新設

病院や診療所にかかると、初めてかかる場合は初診料、二回目以降かかる場合は再診料(200床以上の病院の場合、外来診療料となる)が基本診療料として算定されます。点数としては、初診料288点、再診料73点、外来診療料74点となります。これは、対面で診察を受けた場合の点数です。
そして、基本診療料はオンライン診療においても算定することができます。前年度までは、初診料214点、オンライン診療料として再診及び外来診療71点となっていましたが、今年度から初診料251点、そしてオンライン診療料という名目を廃止し、再診料及び外来診療料73点と点数が引き上げられました。
この理由としては、やはりCOVID-19の影響が大きいと考えられます。感染対策として、対面診療における感染リスクの軽減はもちろん、待合室での患者同士の感染リスクを抑えるということにも焦点が当てられ、点数を引き上げることによって、より多くの病院や診療所でオンライン診療を有効活用してもらおうという意図が感じられます。
対面診療より点数は下がりますが、病院や診療所においては今までよりも実施しやすい環境となりました。

情報通信機器を用いた医学管理等(医学管理料)に係る評価の見直し

最初に医学管理料というものについて少し触れていきます。
医学管理料とは、診療において、医療的な処置や、投薬など、医療技術の提供とは別に、医師による患者指導や医学的管理を行った際に算定される診療報酬項目となります。代表的な項目に、特定疾患療養管理料というものがあります。こちらが、恐らく一番算定されている医学管理料になるでしょう。
そして、今回この医学管理料に関して、前年度までにおいても点数が設定されているものの見直し(前年度は「時限的・特例的な対応」として、医学管理料は最終的に一律147点となっている)と、今年度新たに点数が設定された項目があります。また、点数設定は見直しされた項目も、新たに設定された項目も対面診療の約87%とされています。
まずは、前年度までにおいても点数が設定されているもので、評価の見直しを行った項目ですが、少し項目数が多いので例を一つあげさせていただきます。例えば、代表的な項目としてあげた特定疾患療養管理料ですが、対面診療において、診療所が225点、許可病床数100床未満の病院が147点、許可病床数100床以上200床未満の病院が87点となっておりますので、それぞれ87%で計算しなおすと、診療所が196点、許可病床数100床未満の病院が128点、許可病床数100床以上200床未満の病院が76点となります。オンライン診療においても、病院規模によって差が出るように設定されました。
次に、今回新たに評価を行い設定された項目ですが、ウイルス疾患指導料、皮膚科特定疾患指導管理料、小児悪性腫瘍患者指導管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、がん患者指導管理料、外来緩和ケア管理料、移植後患者指導管理料、腎代替療法指導管理料、乳幼児育児栄養指導料、療養・就労両立支援指導料、がん治療連携計画策定料2、外来がん患者在宅連携指導料、肝炎インターフェロン治療計画料、薬剤総合評価調整管理料などが設定されました。
今回の改定により、幅広い範囲で管理料や指導料をオンライン診療でも算定できるようになりました。

まとめ

今回は情報通信機器を用いた診療の中でも、初診及び再診に係る評価の新設と、医学管理料に係る評価の見直し及び新設に関して記載しました。この他にも改定された項目がございますので、そちらに関しては、また日をあらためてお話しいたします。
診療報酬改定に伴い、点数が引き上げられたもの、新しく算定要項として設定されたものが増え、昨年度よりオンライン診療に重きを置かれたことが分かります。
感染面の観点からもオンライン診療は非常に有効ですが、外来での待ち時間を短縮させる手段として、また、遠方から来られる方への対応としても非常に有意義なものとなりますので、まだ導入されていない診療所や病院の先生方におきましては、今年度より導入を検討されてみてはいかがでしょうか。(S)