令和6年度が始まり、はや一ヶ月半が経ちました。気づけばゴールデンウィークも過ぎ、もうすぐ梅雨の季節がやってきますね。そして今年度は診療報酬の改定がございました。
今回はそんな令和6年度診療報酬改定【外来診療の機能分化・強化等】から、簡単ではありますが[生活習慣病にかかる疾病管理]について少しご紹介をさせていただこうと思います。

【主な内容】

  • 生活習慣病とは
  • 生活習慣病に係る医学管理料の見直し➀
  • 生活習慣病に係る医学管理料の見直し➁
  • 生活習慣病に係る医学管理料の見直し➂

◇生活習慣病とは

生活習慣病とは、厚生労働省の資料によると「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されています。例えばですが、食習慣及び運動不足が原因となるものでは、高血圧、糖尿病、肥満等があります。

◇生活習慣病に係る医学管理料の見直し➀

♢生活習慣病管理料の見直し
生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から、生活習慣病管理料についての要件と評価の見直しが行われました。主な変更点は下記のとおりです。
・療養計画書を簡素化するとともに、※電子カルテ情報共有サービスを活用する場合、血液検査項目についての記載を不要とする。
・診療ガイドライン等を参考として疾病管理を行うことを要件とする。
・少なくとも一月に一回以上の総合的な治療管理を行う要件を廃止する。
・歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士等の多職種と連携することを望ましい要件とする。
・糖尿病患者に対て歯科受診を推奨することを要件とする。
※電子カルテ情報共有サービスとは、オンライン資格確認、電子処方箋の次に位置付けられる政
 府の医療DX推進施策であり、紹介状送付サービス、健診文書閲覧サービス、6情報閲覧サービ
 スの3つのサービスから構成されています。

◇生活習慣病に係る医学管理料の見直し➁

♢生活習慣病管理料(Ⅱ)の新設
今回の改定にて、査等を包括しない生活習慣病管理料(Ⅱ)が新設されました。細かい算定要件などは長くなってしまうため割愛させていただきますが、月に1回333点を算定できます。

◇生活習慣病に係る医学管理料の見直し➂

♢特定疾患療養管理料の対象疾患の見直し
今回の改定にて、特定疾患療養管理料の対象疾患が見直されました。主な変更点は医科のとおりです。
・生活習慣病である、糖尿病、脂質異常症、高血圧を除外
・より質の高い疾病管理を推進する観点から、特定疾患療養管理料の対象疾患を追加(アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群)

〇終わりに

今回は、令和6年度診療報酬改定[生活習慣病にかかる疾病管理]について、簡単ではありましたがお話をさせていただきました。この中で一番影響力が大きいのは、特定疾患療養管理料の対象疾患から、糖尿病、脂質異常症、高血圧が除外されたことであると思います。今まで何の気なしに特定疾患療養管理料で算定を行っていた事業者さんも多くいらっしゃると思いますが、今後はこの三疾患に関しても療養計画書を作成しなければなりません。その為、療養計画書の作成の手間が増えることや、そもそも療養計画書の記載の仕方が分からない方も多くいらっしゃると思われます。ここをスムーズに切り替えられるかどうかが、一般内科の診療報酬にとっては大きな影響を与えてくると考えられます。6月から切り替えとなるため、しっかり準備しておきたいですね。(S)

 

この記事を書いた人


坂本 裕紀
経歴 / 看護大学卒業。OP室、ICU及びHCU、離島医療、訪問診療、訪問看護、クリニック立ち上げを経験し、現職。
資格 / 看護師、保健師、上級心理カウンセラー