厳しい寒さが続きますが、皆様体調はいかがですか。
現在、医療機関では新型コロナウイルス感染症に加えインフルエンザ、溶連菌感染症などの患者が増加していますので体調には十分にお気をつけて過ごしてください。
本年もどうぞよろしくお願いします。
さて今回は食物アレルギーについてお話ししたいと思います。
皆さんは食物アレルギーについて考えたことはありますか。1才未満の乳児で最も多く発症すると言われていますが、厚生労働省の調査によると小児から成人まで幅広く認められています。
小さなお子様を子育て中の方や、「これってアレルギー?」と過去に思い当たる症状などありましたら、参考にしていただけたら幸いです。
お正月は過ぎてしまいましたが、食卓やおせち料理では「えび」「かに」「いくら」などを食べる機会が多かったのではないでしょうか。成人の方はある程度自分の食物アレルギーの状況を把握しているかと思いますが、高齢者や認知症、お子様は注意が必要です。「そば」「えび」「かに」は食物アレルギーの特定原材料8品目、「いくら」は特定原材料に準ずるもの20品目に入る食材のため、食物アレルギー症状の症例が多く、症状が出た時に重篤度が高い食材となっています。特定原材料等28品目とは以下の図の通りです。
【特定原材料等28品目とは】
アレルギー特定原材料等28品目とは(えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)・アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン)の使用がある場合は「原材料名」に表示をしています。
卵や小麦、牛乳などは子供のおやつや離乳食に含まれていることが多く、ナッツ類は気軽に食べられる大人のお酒のおつまみとしてご家庭で購入することが多いと思います。
食卓に並べられているお菓子やおつまみをお子さんが手を伸ばし、誤食してしまった経験はありませんか。「少量なら大丈夫」と軽い気持ちでいると生命に関わることもありますので大変危険です。
【主な症状について】
魚卵、ピーナッツ・ナッツ類、そばのアレルギー症状としては、全身蕁麻疹、呼吸苦、嘔吐、顔色不良などアナフィラキシーショックといわれる重篤な症状を起こしやすいため十分注意が必要です。
アナフィラキシーとは、アレルギーが原因で複数の臓器症状が急速に全身に症状が出る状態です。なかでも、血圧低下に伴い活動性の低下、意識障害、時には心肺停止という状況に陥った状態をさします。
その他にはどんな症状あるのか、下記を参考にしていただけたらと思います。
1.皮膚の症状:かゆみ、じんま疹、赤み(紅斑)
2.目の症状:結膜の充血、かゆみ、まぶたの腫れ
3.口・のどの症状:口・のどの中の違和感、イガイガ感、唇・舌の腫れ
4.鼻の症状:くしゃみ、鼻汁、鼻づまり
★5.呼吸器の症状:声がかすれる(嗄声)、犬が吠えるような咳、のどがしめ付けられる感じ(喉頭絞扼感)、咳、息が苦しい(呼吸困難)、ゼーゼー・ヒューヒューする(ぜん鳴)、低酸素血症
★6.消化器の症状:腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
★7.循環器の症状:脈が速い(頻脈)、脈が触れにくい・脈が不規則、手足が冷たい、唇や爪が青白い(チアノーゼ)、血圧低下
★8.神経の症状:元気がない、ぐったり、意識もうろう、不機嫌、尿や便を漏らす(失禁)
★印のついた「呼吸器の症状」「循環器の症状」「神経の症状」「消化器の症状」です。これらの症状がみられた場合、迅速な対応(エピペンの使用や救急車要請・搬送など)が必要になることもあります。そのような症状が起きた場合には、自己判断を避け、すぐに救急要請をして下さい。また皮膚の症状や口の症状などがあった場合も医療機関の受診をして下さいね。
週末の医療体制は多くのクリニックや病院の一般外来が閉まっており、地域の休日急患診療所、夜間救急、総合病院の救急外来での対応がメインになります。電話も繋がりにくい状態となりますので、注意が必要です。初めて食べる食材については、医療機関が通常の診療を行っている時間に食べることをお勧めします。
【まとめ】
28品目が特にリスクの高いものだとしても、「28品目不使用」でリスクがゼロになるわけではありません。あらゆる食品にアレルギーを起こす可能性があります。外食時にはアレルギー情報をメニュー表だけで判断せず、店員さんに伺ったりするのもいいでしょう。アレルギーはいつも同じ症状が起きるとは限りませんので「これってアレルギー?」と気になる症状があった場合は、医療機関を受診してくださいね。
