コロナ禍の状況の中、経営者の方は売上拡大やコスト削減等様々な努力をされながら会社経営をしている事と思います。
例えばクリニック経営者の方からは毎日多忙な診療対応をしているが感覚的に経営に余裕がなくどこに課題があるのかが特定できていないという状況や、建設業の社長さんからは公共事業の削減で受注減少の一方で、新しい事業展開をしていくためにどこから触ったらいいのか、社員の意識改革をどのように進めていけばいいのか分からない等など悩みながらも孤軍奮闘で頑張っているとお話をよく伺います。

社長さんとお話ししていて感じるのは、感覚的なところから悩まれているのが多いなぁというところです。社長さんはこれまでの経験などから肌感覚として「調子いい」「調子悪い」と感覚的に感じ取っているようです。もちろん、数値からの定量分析も踏まえてご判断でありそれはとても信ぴょう性は高いと思うのですが、このような時弊社からは「仮説に基づいて、ケース分析してみませんか?」とご提案しています。ざっくり言いますと、経営者の肌感覚に数値的な裏付けをもって、経験と数値両面から事業経営を見つめていきませんか?というものです。
今回はこのケース分析についてお話ししてみたいと思います。

◇ケース分析ってなに?

ケース分析とは、会社の経営状況が

・いい状況(グッドケース)
・このまま変わらない状況(ノーマルケース)
・悪くなった状況(バッドケース)

になったとき、収益にどのくらい影響を及ぼすのか?という状況を見るものです。

通所リハビリテーションの事例を出して説明しますと、
現在通所リハビリテーション施設に訪問頂いている利用者さんが今後
・+10%増えた場合
・変化ない場合
・-10%減少した場合
どのくらい収益に変化があるか、その際、利用者さんの利用状況で施設スタッフ人員や送迎、食事代、リネン、水道光熱費も影響があればそれも加味して分析していきます。

◇何が分かるの?

収益に影響がある項目(利用者人数、単価、スタッフ人件費、その他経費)を設定する事で、どの項目が収益に一番影響を及ぼすのかがわかります。また算定期間を設定する事で、どの時点から収益があがるのか?逆に変動幅によってどのくらいまで辛抱すればいいのかがわかります。
このようなケース分析をする事で、経営者の方は今後どのように計画を立てればいいか?の見通しがつくようになります。例えば、利用者を増やしてその他のコストを据え置いた場合、どのくらい収益があがるのか?反対に、利用率が高止まりしている場合どこをテコ入れすればいいのか、余地がなければ新たな事業方策はないか?等様々なシミュレーションが可能になります。

◇取り組むうえでの大切なこと

ケース分析を行ううえで大切なことは
・経営者の想いを込める
・現実的な数値を設定する
になります。
【経営者の想いを込める】
グッドケースを設定する際ありがちなのが、「10%増えたらいいな~」って安易な設定です。
ケース分析は経営指標になりますので「だといいなぁ~」論は通用しません。ここでは経営者の方の想い、例えば10%増やす!そうしたら数字はこうなる、これを実現するためには〇〇をしよう!と想いと実行計画がセットで数値に込められることが重要です。
【現実的な数値を設定する】
グッドケースもバッドケースも現実的な状況から乖離してしまうと、それは参考資料にはなりません。最初は色々試して収益の幅を確認していくのもいいのですが、ある程度試行錯誤したのちは現実的な数値を設定しその影響を考慮して分析する事が大切です。この資料をもとにケース分析ごとの損益分岐点売上や運転資金必要高、人材の採用計画にも活用する事が可能です。

まとめ

今回は、今後の市場環境を踏まえて自社はどのくらい影響があるのかを見極めるケース分析についてお話ししました。
経営は総合格闘技と言われるように、ヒト・モノ・カネそしてサービスが混然一体となって結果が導かれるものだと思いますが、今回ケース分析のような手法を用いる事で少しはお役に立てるのではないでしょうか。
当社ではこのほかにも、事業計画策定支援や社員育成支援、資金調達支援などのサービスもご提供しております。
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